待っていたよ「キレンジャク」 今年は来るかな?見られるかな?冬山に入いるたび待っていた鳥、キレンジャク。以前にキレンジャクと同じレンジャクのヒレンジャクを見てから余計に期待して冬を待って来た。ヒレンジャクとほとんど同じ精悍な顔、何とも格好の良い冠。私が見分けられるのは尾の先が緋色か黄色かの違いだけ。その黄色についに遇えた。 レンジャクはヤドリギの実が好物。ヤドリギを求め尾根道を歩く。だけど私が見つけるヤドリギは遥か遠い山の上、実が付いているのかさえ確認できない。好物が見つからないんじゃ無理かしら。ん?待てよ。ヒレンジャクを見たのはカエデの木だった。考え直してヤドリギ探しを止め、いつもの様に景色も一緒に楽しみながら歩いていた私の目にレンジャク数羽が入ってきた。 あら、ヒレンジャク?ちょっとだけガッカリの雪藪こざきで近づいたら、キレンジャクが一緒にいるじゃない。ほっ!長靴の中の雪さえも暖かかったっけ。2009/2/8付 |
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びっくり!アオゲラの尾 小雪が舞う原っぱを眺めていて何かが動いたことに気づいて目を凝らしても鉛色の空気や吹く風が周囲の木々を揺らしていることも手伝ってなかなか正体が見えない。確かに鳥だと感じても、動いてくれないことには探すことが出来ない。また動くはずだと確信し、しばし視野を解放させ佇む。 あっ、やっと動いた。見つけた!アオゲラだ!木ばっかり見ても探せなかったはずだわ。気づかれないよう、そぉっと近くに立ててあった三脚に手をかけファインダーを覗いて驚いた。 アオゲラはヌルデの細い枝を、割れた尾でガッシリと挟み体を固定して音もなく実を啄んでいる。キツツキの仲間は木を突く音が聞こえるから遠くにいても探しやすいのに、これじゃ、すぐに見つけられるはずないよねぇ。 |
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逃げるよ逃げる「カルガモ・コガモ」 少しまとまった雪が降り、お気に入りの山に入れなくなった。気が抜けたようにカメラを持つ気力も出ないほどしょんぼり状態が続く。決して雪が嫌いなわけじゃなく、むしろ新雪の美しさは大好き。ただ、入れなくなった山の中に来ているはずの冬鳥達の生き生きとした姿を見られなくなってしまったことが残念過ぎる。 青空が出た日「ひょっとしたら雪が融けたかも知れない」なんて期待をして出かけてみた。山のほんの入り口まで雪の上を歩く。山の雪は解けている様子もなく、澄み切った空気の下、誰も入らせないと言わんばかりに冷たく真っ白な美しさを静かに見せている。眩しさの中、雪景色を堪能するだけし、山を下りた。 少しは気休めになるかと、帰りに寄った貯水池では相変わらずカモ達がプカプカのんびりと浮かんでいる。お目当てのカモは遠過ぎる。一番近くにいたカルガモにカメラを向けたら胸の内を読まれてしまった。「お〜い、あなた達も好きなんだってば」。2009/1/8付 |
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やって来ました「カワアイサ」 冬の水鳥カワアイサ、何度か確認していたけど用心深い水鳥の中でも特に気難し屋、まともな姿を撮ることがなかなか出来ない。餌が欲しくて寄ってくる白鳥やカモ類のようには近づかせてくれない。殆どが貯水池の真ん中でプカプカ浮いている姿や川幅の広い信濃川の中州近くか向こう岸の下でくつろぐ遠くて幽かな姿ばっかりだ。それでさえ、ほんの少し近づいただけで遠ざかってしまう。 それでも、どんな水鳥が来ているのか知りたくて川の土手を歩いたり、貯水池の周りでジッと立っていたりする。通り過ぎる車の運転手から見られたりすることは度々、傍から見れば正に「変な人」になっていることだろう。私自身も水鳥を見る時は人目が気になり落ち着いて観察出来ない辛さがある。 だけど、この日は違った。雪の壁に邪魔されることも川向うの姿を見る歯痒さも無い。土手を歩く私のすぐ脇の藪の間から悠々泳ぐカワアイサ♂が見えた。「おっ、やっぱりカッコ良いなぁ。で、奥様は?」。 |
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真っ赤な冬鳥「イスカ」 カメラを始めてから、市内で見ることが出来る野鳥や植物の種類を知りたくて過ごしてきた。冬鳥だって何種類も飛んで来るハズなのに、私がその姿を見つけることが出来るのは山々の紅葉が終わり、雪が積もるまでのほんの少しの期間だけ。 落ち葉が舞い、雨の日が続き気温が下がってくると今年もそろそろ終わりかな、なんて考え始めたりする。寒くなるのはタツケナシには辛い、だけど冬鳥に遇えるチャンスは今しか無い。時間の都合をつけられたらワクワクしながら山へと向かう。期待して探しても待っても1羽も姿を見ないで帰る日の方が多いけど、お馴染みの小鳥達の可愛い姿を見るだけでも嬉しくなる。 「ピピピピッ」聞きなれない声が聞こえ、急いで声の方向を探す。見上げると真っ赤な鳥が松ぼっくりを食べているのが見えた。ファインダーで確認する。え?上下の嘴の先が交差して曲がっている。「やったぁ!イスカだ!真赤だ!」2008/12/18付 |
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冬眠しようね「アマガエル」 冬鳥を待って相変わらずの山の中。だけど、待っても待っても鳴き声さえも聞こえてこない日だってある。そんな時は自然観察でもしましょうかとブナの林に入ってその静けさと、ひっそり生きている植物を見て楽しむ。 なにより腐葉土の上を歩くのが好き。まだ黄色を残した葉の重なり、その上をザクザクと音をたて歩く。最初の1歩を踏み出しただけでも、モックモック感が長靴を通して足の裏に伝わってくる何とも不安定な感覚が好きでこの秋も何度となくブナの林に入ってみた。腐葉土の中は手を入れみると驚くほど温かい。その温かさはとても優しく、初冬に入るとその温かさを知っている昆虫達や爬虫類が何層にも重なった葉の下で越冬準備をする。 |
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獲物に狙いを定めた「ノスリ」 お気に入りの山から麓に見える棚田の秋模様をボォ〜ッと見ていたその時、頭の上に何か通った気配を感じた。鳥だ! 影の感じから想像して「カラスが通り過ぎたのかなぁ」。くらいにノンビリと考え、雲ひとつ無い青い空に目を向けた。あれ?カラスは居ないし飛ぶ姿も見えない。青い空を見たまま、気のせいだったのかと思った。 あっ、また気配を感じる。ひえぇ、前方の空を見ても居なかったわけだ。ほとんど私の真上、それも宙に浮かんで止っている。ノスリだ!ノスリだ!何かを見つけたノスリがホバリングしている。 ノスリのホバリングを間近で初めて見た。チャンスはいきなり訪れる。だけど運の悪さもいきなりだ。なんと悔しいことにカメラの準備をしていない。手に持っていた三脚とカメラを焦りながらも冷静(ほんと)にセット・・・する前に、獲物に狙いを定めたノスリがゆっくりと降下を始めた。いやぁ、お願い待って。 設定も出来ていないカメラ、夢中でシャッターを切った。当然ピンボケ(涙) 2008/11/18付 |
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双子みたいよ「ゲンノショウコ」 一般的な薬草として名前が知られているゲンノショウコ。私が歩く野山のどこででも見られ、春から雪が降るまで白くて可愛い花を咲かせ楽しませてくれている。あちこちで見ることが出来るから、ちっとも珍しい花じゃない。けど、いつも撮影のモデルになってくれる。(勝手に撮っているだけ、ね) ゲンノショウコは、控えめで可憐な花とは対照的な繁殖力の強さでシッカリと地に根を張り簡単に引き抜けない。その頑丈さが薬草としての効き目に繋がっているような気さえしてしまうほど根強い。お腹の調子が悪い時、すぐ効果が現れることが薬草としての「現の証拠」だって、まるで駄洒落のような名前の由来も嘘じゃないわよねって思えてくる。 可憐さは勿論好きだけど、もっともっと好きなところがあって、見つけると嬉しくなってカメラを向ける最大の理由、それは、ゲンノショウコは咲く花がみんな軸の先で二つ並んで咲いているってところ。 ほらね、やっぱり仲良く二輪。可愛いなぁ、楽しくお喋りしている「双子花」って言っても良いよね。2008/11/8付 |
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