〜〜〜〜〜 kakashi (実際は本名ね(^^ゞ ) の妻有の自然 〜〜〜〜〜 新潟県十日町市のローカル紙 「十日町タイムス」に、ひょんなきっかけから掲載をさせていただいています。 「好きに書いて良いから」と、一見強面の編集長Mさんと一見頑固そうな担当者Tさんの優しい言葉に甘えっぱなしで書いています。 一緒に掲載されている写真を楽しみにしてくださっている皆様にカラーで見ていただきたいと「myギャラリー」に載せる事に致しました。 ほんの小さな自然の切抜きで、ちっとも珍しいものではありませんが、お暇つぶしにご覧下さい。 十日町タイムス (毎月8の付く日に発刊 ) |
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きらきら「マツヨイグサ」 良いわぁ、朝晩の爽やかさ。暑さの中でグタ〜っと起きて、ボ〜っと一日を過ごしていた時がずいぶん前のことだったかのように思える爽やかな朝。早起きが苦手な私でさえも数日前よりはるかに早起きが出来るようになった。 驚くほどスッキリと目覚めた日、ずっと行きたいと思っていながら道路が陥没して行けなかった河川敷に向かった。復旧工事が終わった道路は以前より数段きれいになっている。お気に入りの山はまだまだ上がれる状態じゃなく、そろそろ気がかりになってきている冬鳥達を探すことが出来そうもなく、ヒジョーにもどかしくて悲しい分、河川敷散策を復活出来ることがとっても嬉しい。 今年初となる河川敷のはずが、散策どころか入り口で足が止まったままほとんど動けず。だって、私以上に爽やかな朝を感じている「マツヨイグサ」が待っていてくれたもの、無視するなんてこと出来ないわよ。 きゃーっ、綺麗!朝露が消えないうちに撮る、撮る。え?「ヨイマチグサ」じゃないから待っていなかったって?聞こえない、聞こえない。2012/10/8 |
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親近感「ハラナガツチバチ」 朝晩の爽やかさがとても嬉しい。毎日脳みそが沸騰しつづけた激暑もようやく峠を越えた気がする。暑さで半分ほど思考が止まり何日も頭痛が治らず如何したものかと考え、やっぱり散策で自然の風に吹かれるのが一番良い対処法だと何時も都合の良い結論に達するのが私。 ぎらぎら日が射す信濃川から吹きあがる風さえ暑くとも、ぼぉ〜っと流れを見つめ川岸の木々を見つめていると頭痛を忘れることが出来るようで、いつのまにか視線が獲物を探していることに気付く。獲物と言っても撮影対象の事ですよ。 中州でシラサギやカワウが流れに入って涼しそうに餌採りをしているのを羨ましがりながら足元に咲くニラの花を見る。誰が種を運んだのか僅か2年足らずで土手に蔓延って見事に咲いていて驚かされた。 ニラの花を眺める私と、花の蜜を吸うアナタ。「花が好きの意味が私とちょっと違うよね」。などと話しかけながら撮っていたら返事が返ってきた。 「でも、胴長は似ているよ」…はぁ。2012/9/18 |
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ぎょえぇぇぇ「オナガ」 暑いっ!これだけ暑い日が続くと何をするにも意識の集中ができずボォ〜、脳みそが沸騰しているんじゃないかと思うほど毎日ボォ〜。 冷たいお茶やコーヒーを入れたmyボトルを手放せないでいる。一体、どれくらいの汗をかいてどれくらいの水分の補給をしているのかしら。myボトルは空になる事がなく補充しっぱなし。1日中、水分でお腹を満たしている状態だから食欲も出ない、自分だけならお菓子を食べる程度で済ませることが出来るけど、そうもねぇ。 意を決し、食料調達に家を出る。1歩外に出ただけで強烈な日差しを浴びて肌がびりびり燃える。あぁ、買い物ついでに焼けた肌を涼ませて貰えるお店があることは本当にありがたい。心地よく冷えた体で灼熱の車に戻り窓を開ける。 「ぎょえぇぇぇ、ぎょえぇぇぇ」、お腹の底から絞り出したような辛そうな鳴き声が聞こえてきた。アンテナの上で暖かそうな産毛を脱ぎながらオナガが叫んでいる。炎天下、夢中で撮っていた私も「ぎょえぇぇぇ」。2012/9/8 |
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表通り、裏通り「カタツムリ」 梅雨入りしてからしばらく雨なしの日が続いていたものだから、今年は空梅雨になるんじゃないかと思った翌日にシトシトシト。動植物はさぞかしホッとした事でしょう。で、すぐさま「降るのはありがたいけど適度な雨で良いからね」と、雨が欲しいと願っていながら心では実に勝手なことを言っている。「本当に適度で良いからね。 シトシト雨に元気が出たのかカタツムリの子どもが姿を見せた。以前に砂利粒のように小さなカタツムリを見た時、他にも兄弟が居るはずと探してみたけどその時は一匹しか見つからなかったっけ。少し成長して姿を見せたカタツムリ、至近距離からカメラで覗きこんでいてもまったく気にならない雰囲気でレンゲショウマの葉の上に溜まった雨粒の中で遊んでいる。おおっ、兄弟が居た! 嬉し悲し、大事にしている鉢植えの葉やツボミを食べてカタツムリたちは無事に育っていたようだ。だけどアナタ、何で裏通りなの?あっそう、あくまでも隠れていたい訳ね。こんなに優しい私から…。2012/7/18 |
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定着「ミゾホオヅキ」 家の脇には裏山からの清らかな水が流れている。流れと言ってもほんの小さな側溝を流れる量は決して多くない。大雨の降った日や雪解け水の流れる時期には勿体ないと思うほど勢いよく音を立て流れる事がある。その清らかな水も昨年の豪雨で上流が氾濫してからは何日も流れが止まってしまったり、土色の水が流れてきたりするようになってちょっと残念。 5年ほど前、流れに運ばれてきたであろうミゾホオヅキが家の裏で根付き、花を咲かせているのを見つけた。家は山を背負っていると同じだから山の植物が育っていても何も騒ぐほどの事はないのかも知れないけど、それまでは山の沢や人里離れた田んぼの溝くらいでしか見たことがなかったから見つけた時は驚いたし、家に居ながら可愛い花を見られる事が嬉しくもあった。 そして今、家から十数メートル先の側溝の中でも大きく育っている。健気ねぇ、流されながら流されまいと頑張ってしがみ付き、そこで一花咲かせた根性はご立派!だけどこの場所ちょっと危険よ。あ、もう抜かれている…。2012/7/8 |
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「オオカメノキ」花盛り 続々と山の木々が花を咲かせている。雪消えを待ち一斉に花開いた市街地の梅や桜のように、今、山が花盛りとなっている。木が葉を落としている時はまったく気付かなかった場所で咲いていたりするとビックリする。中でも一際目を引くのが、大きくて真っ白な花が緑の葉の上に重なり合って咲く様子が見事なオオカメノキとヤブテマリ。 妻有の自然の観察を始めるまで長い間これらの花に対して思い違いをしていた。花の周りに咲く真っ白な花弁が装飾花で本来の花はというとその装飾花に囲まれた小さな花粒(両性花)の集まりだったということを。そんな思い違いは他にもいっぱいあるけど、すぐに頭に浮かぶのは見た目も大きさもそっくりなヤマアジサイ。もちろん花弁の違いや色の違いはあるけど本当によく似ている。花だけを見ればそれぞれに勘違いしてしまいそう。 良いぞ、良いぞ、今年も豪華に咲いたオオカメノキを撮るぞ…うう、大物狙い過ぎて背が足りない。こういうのを身の丈知らずって言うのね。ん、なんか違ってる?2012/6/18 |
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ゆらゆら「アズマシロカネソウ」 雪解け水が滲み出す山の沢肌、土を押してみると地中深くから清水が湧き出たかのように冷たい水が溢れてくる。そして指はたちまちのうちに小さな本当に小さな池の中にいる。 雪解けと同時に花を見ることができ、春の訪れを感じさせてくれる花の一つ、アズマシロカネソウは湿ったところが大好き、日陰が大好き、下を向いて咲く小さな花は、名前の通りに「鐘」を連想させる。その「鐘」がそよ風をうけ一斉に揺れる姿は何とも可愛らしい。春を求めて山に入る私が必ず探す花。 群生を期待して、カメラを担ぎリュックを背負いえっちらおっちら向かった沢にはまだ残雪がいっぱい、徒労の中でつくづく思い知る。群生って欲張ったから罰が当たったのかな、残雪を前に疲れがどっと出た。 ため息の中で気付く。そうだ、歩く足元にぽつんぽつんと咲いていた花、今まであの付近で咲いているのを見たことがなかった。花が移動するほど豪雪だったのだと。良いわぁ、この慎ましさ、私とソックリ。2012/6/8 |
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デデッポッポ「キジバト」 豪雪だった今年、それゆえに楽しむことが出来る残雪の上に咲く桜、感動この上ない美しい景色を堪能させてもらった。そんな歓びがあるから雪国に住み続けていることが出来る、なんて感じても決して大げさではなく本当にそう思う。木々の芽吹きを見つける時と同等の感動、いやそれ以上だったのかも知れない。それほど市内中に咲く今年の桜は美しかった。 遅い春の訪れ、土手から見る大河に流れる雪解け水は満々と轟音をたて目の前で渦を巻く、吸い込まれそうな感覚を受けながらただただ見ていた。ぼぉ〜っ。土手に吹き上げる川風の冷たさですっかり冷えてしまった体を温めようと車に戻りエンジンをかけようとキーを挿したら、おおっと。車のすぐ脇に立つ柳の中にチラッと何か動く気配を感じてそぉ〜っと車を降りる。 むふふ、芽吹き始めた柳の枝に隠れたキジバトを見つけた。細い枝に隠れたつもりのキジバトの丸い体を見ながら1人笑いをする。無理でしょ、ちょっとサイズが違い過ぎよ。 シャッター音に驚いたキジバトが豆鉄砲食らったような…ね。 2012/5/18 |
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春ですよ「ヒメオドリコソウ」 ようやく空気が暖かくなってきたと感じた日、寒さ続きで縮こまってしまった体をほぐすべくお気に入りの山の様子を見に出掛けてきた。残雪は予想以上に多くて山に近づくことさえ出来ない。はぁ、気分はガックリと落ち込む。そうよねぇ、本当に大雪だったもの。 久しぶりの山を目の前にして去りがたく、しばらく見渡していたら遠目ながらも日当たりの良い土手に山桜が咲いているのが見えたり、木々の先がなんとなく赤く見えたり、ウグイスの囀りが聞こえてきたりで、さっきまでの憂鬱がころっと、気分は最高!もう少し辛抱すれば山を歩けるようになる。あぁ、本当に待ち遠しい。 春の雰囲気を楽しむだけ楽しんで心も軽く遠回りで帰ることにした。おっとっと、世間はもうヒメオドリコソウが咲いているじゃない。なによ、我が家の庭に雪がいっぱい残っているから気付かなかった。春が来なかったのは私の家だけだったのね。2012/5/8付 |
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氷点下の「ツララ」 いやぁ、降った、降った、降りました。豪雪地妻有だもの降って当然なんだけど限度ってものがあるでしょうにと、何度口に出して言ったことやら。年末から降り続いていたんじゃないかと思ってしまうほど出掛けるたびに吹雪の中を歩いていた。屋根雪を下ろした市内の路地は日を追うごとに狭くなり雪の壁は高く反り返り空き地に積み上げられた雪も見事な高さになっていく。スーパーの駐車場も雪山がずんずんと大きくなって面積の半分も空きが無くなってしまったところもある。こんな日が続くと出掛けることさえ億劫で、一度の買い物で何日分も買いだめをしてしまう。で、毎日猫と一緒にオコタで丸くなっている。 氷点下の夜、雪の状態を見に窓を開けた。ピーンと張った空気の中を雪は降る。降り続く雪が街灯の光に浮かびあがる。見上げれば屋根のツララも光を受け浮かび上がっている。昼のツララとまったく違う姿、ツララの1本1本の輝きが舞い落ちる雪と共に浮かんでいる。 こんなことを言うと叱られそうだけど、「やっぱり雪は美しい。」2012/3/18付 |
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